自分にはそれは不可能だと言った瞬間から可能性の道は閉ざされてしまう。同じ能力の持ち主でも、プラス思考で取り組んだ人は、うまく行き、マイナス思考で取り組んだ人は、うまく行かない。正に人間は自分が考えた通りの結果を手にするのである。
我々の持つ可能性に比べると、現実の我々は、まだその半分の完成度にも達していない。我々は、肉体的・精神的資質の、ごく一部分しか活用していないのだ。概して言えば、人間は自分の限界よりも、ずっと狭い範囲内で生きているに過ぎず色々な能力を使いこなせないままに、放置しているのである。
荒れ狂う海面の荒波も、大洋の底まで騒がすことはない。広大でかつ永久的な視野で現実を眺めている人にとっては、個人的な絶え間のない浮沈は比較的無意味なものに見える。従って、真に宗教心のある人は動揺せず、平静に満たされている。そして時がどのような義務をもたらしても、静かな心構えができている。
若者は自分の受ける教育の結果をあれこれと思い悩んではならない。もし毎時間を真剣な気持ちで勉強するならば、あとは成り行きに任せておいても安心である。どんな学問分野を選ぼうと、懸命に努力を続ければ、いつかは同世代の優れた代表者として、勝利感に浸れる輝かしい朝が来る。